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「今日、退部届出したんだ。大学も、普通のところにする」

二人きりの美術室。突如告げられた親友の進路変更。

自分よりも絵が上手くて進路に困らないくらいのお金が実家にあって自分と違ってご両親の理解も得られていたのに?

その言葉を悠里は飲み込んだ。自分の環境に対して抱えている不満を彼女にぶつけたいわけではないし、彼女が筆を置く決意をしたのはもっと別のところにあるのだと分かっているから。
これから絵を描く、創作を続けていくための何かが自分の中にはないのだと。 大事な決意を大事な親友に話した彼女の表情は少し寂しそうで、でも吹っ切れていた。大きな荷物を下ろせたのだろう。
悠里はまだ大きな荷物を抱えている。捨てられずに増えるばかりの荷物を。

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開け放した窓から入ってくる風は今日も穏やかだ。
悠里は放課後の美術室に一人きりだった。部員は二人だけだったから。
絵を描かなくなった親友が部室に来ることはない。ケガでバスケ部を引退した幼馴染が休憩ついでに美術室に遊びに来ることもない。
仲違いなどしていない。今だって二人は大事な親友と幼馴染で、毎日教室で話もするし昼食だって一緒に食べる。来週末には遊びに行く予定だ。
関係は変わらないのにあの日々はもう戻ってこないのだ。それは悠里にとって悲しいことではあるが、ここに来ない理由にはならなかった。

「私はまだ、やめられそうにないや」

荷物はまだ下ろせない。歩みだって止めない。きっとこれから先本当に一人きりになっても描くことはやめられない。
目的地も終着点もない悠里の創作の旅は続いていく。

名前
悠里
好き
絵を描くこと・宝物のヘアピン・羊羹
悩み
美術系の学校に進学したいが親を説得できない
年齢
17歳
身長
154㎝
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