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シスターがいつシスターと呼ばれるようになったのかをこの町で知る者はいない。
そもそも彼女が教会にいることはない。それなのにあの格好をしているために皆がシスターと呼ぶ。本名もよくわかっていない。
話しかけても返ってくる言葉は基本短く、表情のバリエーションにも乏しい。
--ある時を除いて。
週1回。この町には悪魔の少女がやってくる。
悪魔といっても何か危害を加えることはない。彼女は平和になった世で純粋に商人をやりたくて魔界から地上へやって来た変わり者である。
悪魔は辺りを注意深く見渡しながら町へ入る。いつも入る場所は変える。
しかしそれは音もなく目の前に現れた。
「お待ちしておりましたわ」
明らかに機嫌がいいとわかるシスターの声、そして普段見ることはない笑顔。
シスターと仲のいい子供たちが言うには(子供達には基本優しい)、この悪魔の少女はシスターの「推し」らしい。
対して悪魔の方は、今にもここから逃げ出したさそうな表情をしていた。
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少女は神様を信じてはいない、というよりさほど興味がない。
だって祈っても暖かい家、優しい家族、おいしいご飯、どれも自分には与えられない。
その点、悪魔は違う。
「ねえ、取引しない?」
目の前に現れたのは少女と同じ背丈くらいの悪魔。大きな鞄にはたくさん物が詰まっているのに食べ物は入っていないのか、悪魔のお腹が鳴る音が聞こえた。
この悪魔と取引をしていいことがあるのかは疑問だが、今この状況よりは多少マシになるかもしれない。
金欠の悪魔と同じく金欠の少女。2人の生活をかけた戦いが始まろうとしていた。
- 名前
- シスター
- 好き
- 悪魔のあの子・食べることと寝ること
- 苦手
- 早起き
- 身長
- 174㎝

