ページ121
「ロジャー博士。貴方に協力のお願いを」
したくはないのですがこれも仕事ですので、とでも言いたげな態度で隻眼の青年は話を進めた。
彼とは初対面のはずだが、何かしただろうか。ちなみにまだ不法侵入を咎めるくらいの言葉しか発していない。
内容は分かっている。こういう話は以前も別の人間にされた。故に答えも決まっている。はずだった。
「そもそもお前だってこちら側だろう、ロジャー・ジブリール」
最低限の敬語で取り繕うのもやめたらしい。表向きには捨てたはずの名字。そこまで調べやがって。ただそれは想定内だ、それよりも。
日なたよりは暗い陰の方がお似合いなのだと真正面からはっきりと言われることに、どうしようもなく安心してしまった。
ページ109
許されたくないと願うことを許さないと言わんばかりに義弟はまっすぐな目でこちらを見てくる。
やっぱり彼には明るくあたたかい場所がお似合いだ。それなのに自分のせいで暗い場所に押し込めてしまった。
どうして異世界からやってきた化け物はあの日俺じゃなくて君に憑いてしまったのだろう。
その日からロジャーのやることは決まった。
しかしいくら探せど彼の犠牲なしにはあの化け物を追い出す方法がない。
自分なら何もかも捨ててしまえるのに。
などと口にしてしまえば悲しそうな顔をされるから、何でもないような笑顔でいなくては。
ページ159
荷物をまとめて静かに家を出ると同じように荷物をまとめた助手が立っていた。
「……君をこれ以上暗い道には連れていけないよ」
「行きましょう、先生」
話を聞いてくれない。こういう態度をとる彼女は非常に珍しい。
どうしたものかと考えている間に彼女に手を引かれ歩き出すことになった。
「先生がいないと、私も一人なのですよ」
君のご両親も弟もご存命だろう、とは言えなかった。この場合そういうことを言っているのではないということはさすがにわかる。
この手を振りほどいたって彼女はついてくる。わかっている。
それなら好きにさせてしまおう。どうせ全てが終わる時には離れるしかないのだから。
- 名前
- ロジャー
- 好き
- 甘いもの
- 苦手
- 運動や戦闘
- 年齢
- 28歳
- 身長
- 182㎝

